090318
何故だか無性にムシャクシャしやがるぜ。
朝、目を覚ますと俺は先ず熱いシャワーを浴びた。
頭がガンガンする、昨日煽ったブランデーがまだ抜けていないのだろう。
濃いブラックコーヒーを一口飲み、ふっと息をつく。
鉄とガラスで出来た安物のコーナーテーブルに目をやると一枚の写真。
幸せだった頃の肖像、写真の中の俺は恋人と幸せそうに笑っている。
あの日、俺は全てを失った。
全てが炎に包まれていく中、ただ一つ握りしめる事が出来たのが、この写真だった。
幸せの写真‥。
‥。
‥?
俺は今まで気付かなかった写真の中の異変に気付いた。
何だ‥?
恋人と二人で写っていた筈だ‥。
なのに、これは‥。
写真に写る2人、その中央で2人の肩を抱く第3の人物が写っていたのだ。
一体何故‥俺はうめいた。こいつを知っている。
こいつは確か‥。
そう‥こいつの名は、ひこにゃん‥。
続く